不安定とは
久しぶりに乳房雲を見た。この雲は、雲底のところで風速差や温度差の関係で、大気が不安定になって渦が起こるためにこのような形になる。この「不安定」という言葉について考えてみた。「不安定」とは安定を打ち消す言葉である。否定形であり、安定ではないと言ってはいるが、それ以上の意味はない。つまり、安定以外の全ての状態を、漠然と指す言葉である。
例えば、気象で言うと、大気の状態が不安定と言えば、雲が出来やすく雨が降りやすい意味になるが、天候が不安定と言えば、晴れたり曇ったり、雨が降ったりと言うことになる。この前者の場合、よく雷雨の前触れなどの表現に使われるが、あまりわかりやすい、的確な表現とは言えないのではなかろうか。
大気が不安定とは軽い空気が下に、重い空気が上にあって、対流が起こりやすい状態を指す。だから、「大気が不安定な状態」と言うよりも、「大気の対流が起きやすい状態」という表現の方が、的確ではなかろうか?一般の人々も、安定でないと言われるよりも、「対流」という言葉の方が、イメージしやすいのではないかと思うが、どうであろう?
セコメントをする