ブッダ
ブッダ真理の言葉 100分de名著 より
お経のほとんどすべては、ブッダ本人の言葉ではないそうである。しかし、古いお経ほどある程度ブッダ本人の意向が残っていると思われている。その中で、『ダンマパダ』は、そういった最古層経典の一つ。『ダンマパダ』によると、
この世の苦しみは、「一切皆苦」。「一切皆苦」とは、この世は原因と結果の因果則によって粛々と動いており、それに囚われること。これは、死んだら終わりではなく、輪廻を繰り返す限り(何度死んでも何度生きても)苦しみは続き、決して終わらない。
輸廻を停止させ、永遠に変化しない絶対安穏な状態に持って行くためには、心の中にある悪い要素(これを煩悩という)を完全に断ち切らねばならない。そして、その絶対安穏の状態を「涅槃」という。輪廻から脱し、解き放たれるという意味で、「解脱」とも言う。
煩悩の根源の一つは「無明」。「無明」とは「智慧がない」ということであり、ものごとを正しく、合理的に考える力が欠如しているという本質的な暗愚を意味する。現実をありのままに正しく認識できるならば、それは「明」。現実の正しい姿とは、「すべてうつろう」ということ。すべてのものは時々刻々と変化する。永遠不滅なものなど、どこにもない。これが「諸行無常」。
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