日本の氷河
2012-10-15


日本の氷河 

 

サイエンスゼロより。

日本で氷河が見つかったらしい。もともと氷河はその99パーセントが極地かヒマラヤにある。それ以外にある氷河は数少ないのに、温帯にある日本で見つかったのは珍しい。あった場所は立山連峰である。ここの御前沢雪渓や三ノ窓雪渓は氷河であることがわかった。氷河と雪渓の違いは、底が氷で出てきていて、流れ下ることだと思う。もちろん、継続して存在するためには、氷河が動いた分、上流で作られなければならない。三ノ窓雪渓も年間に31センチ流れるそうである。そしてその深さ。地中レーダーで調べると深さは実に50メートルもあるらしい。

 

日本で氷河が出来るのには、特別な理由がある。それは多雪地帯だと言うことである。立山連峰の雪の量は、雨に換算すると年に3000ミリメートル。これはヒマラヤの10倍だそうである。また、風が強いため、風上の雪が風下の尾根に吹き溜まる。さらに雪崩によって、谷底に雪が集まるのだそうである。そうやって集まった雪の高さは年に30メートルにもなり、底は圧力で、氷になる。さらに夏の暑さで上層の雪は解けて水になるが、これが下層の雪に入ると氷になりやすいそうである。これらが、日本で氷河が出来る特殊な条件らしい。

 

また、最近氷河に藻類が発生することがわかった。これを雪氷藻類という。立山でこの雪氷藻類が大繁殖していることがわかった。これは氷河に色をつけて、太陽光の吸収を変えるため、地球環境にも影響を与える。グリーンランドで近年氷河が減っているもの、ひょっとするとこれが関係しているかもしれない。立山は地球環境の研究でも貴重な場所になるかもしれない。


[climate]

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